応用情報と基本情報の違い
応用情報技術者と基本情報技術者の違いをまとめます。
基本的には応用情報よりも先に基本情報から受験するのがおすすめです。
どっちを受験しようか迷っている方で、プログラミングがどうしても苦手な方は応用情報から目指すのも戦略的にはありでしょう。基本情報はプログラミングの学習は必須ですが、応用情報は選択なので回避することが可能です。
難易度ランキング
基本情報と応用情報の難易度ランキングを別記事でまとめているのでぜひ参考にしてください。
違いまとめ
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の違いを表でまとめると以下の通りです。
項目 | 基本情報技術者試験 | 応用情報技術者試験 |
---|---|---|
対象者 | 経験の浅いITエンジニア | ITエンジニア |
難易度 | 普通 | 普通〜やや難 |
試験日 | いつでも受験可能 | 4月中旬、10月中旬の年2回 |
試験場所 | テストセンター | IPA指定の試験会場 |
問題数 | 科目Aは60問 科目Bは20問 | 午前は80問 午後は11題中5題選択 |
問題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式(四肢択一) 短答記述式 |
試験時間 | 科目Aは90分 科目Bは100分 | 午前・午後共に150分 |
受験料 | 7,500円(税込) | 7,500円(税込) |
有効期限 | 無期限(永久有効) | 無期限(永久有効) |
合格率 | 50%程度(2023年平均) | 27%程度(2023年春期) |
メリット | アルゴリズムやプログラミングの基礎が身に付く | IT技術・管理・経営など網羅的な知識が身に付く 他国家試験・資格の免除が受けられる |
勉強期間 | 1ヶ月(独自調査) | 2ヶ月(独自調査) |
勉強時間 | 60時間〜360時間 | 60時間〜360時間 |
参考年収 | 515万円(独自調査) | 656万円(独自調査) |
受験対象者
基本情報の受験対象者は以下のような方が挙げられます。基本情報はシステム開発会社やSIerなどに入社したら取得目標に挙げられることが多いです。
- ITパスポートからステップアップしたい方
- 学生、新人エンジニア、リスキリング
- システム開発知識を体系的に学びたい方
一方で応用情報の受験対象者は以下のような方が挙げられます。高度試験を将来的に受験したい方にとっては応用情報は開発・管理・経営などを網羅的に学べるので役立つでしょう。
別記事の独自調査でいきなり応用情報を受験して合格している方が36%を占めたので戦略的に試験対策を行えば十分合格可能です。
- 基本情報からステップアップしたい方
- 新人エンジニア〜中堅エンジニア
- 高度試験を受験予定の方
難易度・勉強時間
基本情報と応用情報技術者の難易度と勉強時間をそれぞれ独自調査したのでぜひ参考にしてください。基本情報技術者の最も多かった勉強時間は1ヶ月、応用情報技術者の場合は2ヶ月でした。
試験日・試験場所
基本情報と応用情報技術者の試験日と試験場所はそれぞれ異なります。
基本情報の場合、テストセンター(試験会場)で受験できるCBT方式なので予約するテストセンターの空きがあればいつでも受験可能です。例えば、本日から3日後〜3ヶ月以内の日程で受験予約が可能です。また試験場所も試験予約の際にご自身の好きなテストセンターを選ぶことができます。
一方、応用情報の場合、4月中旬、10月中旬の年2回の定期開催なので試験日が決められています。例えば、令和6年度(2024年)の情報処理技術者試験の試験日は2024年4月21日(日)です。また試験予約の際に個人が選べる試験場所は県名までであり、IPA側で受験者の近い試験会場が通知されます。
問題数・問題形式・試験時間
基本情報はパソコンで解答する選択方式ですが、応用情報は筆記試験で選択式のみならず短答記述も出題されます。
基本情報は科目Aと科目B(プログラミング)試験に分かれており、科目Aは試験時間90分の60問が出題され、科目B(プログラミング)は試験時間100分の20問が出題されます。基本情報の科目B(プログラミング)は苦手とされている方、毛嫌いしている方も多いです。
一方、応用情報は午前と午後試験に分かれており、午前は試験時間150分の80問が出題され、午後は試験時間150分で11題中5題を選ぶ問題が出題されます。応用情報の午後試験は選択問題なので基本情報の科目B(プログラミング)のようなプログラミングを勉強しなくても合格できるゆえに応用情報は基本情報より簡単と感じる方もいます。
有効期限
基本情報や応用情報のような情報処理技術者試験は一度合格したらずっと有効になります。有効期限はありませんので失効することもないです。近年では受験料が値上げしているので早めに合格しましょう。
合格率
直近の統計情報を参考にすると、基本情報の合格率は42〜56%程度、応用情報の合格率は24〜27%程度で推移しています。
基本情報は2023年4月からCBT方式となり、受験のしやすさと試験内容の改訂が行われたことで40%程度と高い合格率となっています。ただ2023年4月以降から合格率は毎月低下しているのでIPA側で合格率を落ち着かせるようにテコ入れをしていることが伺えます。
一方応用情報は例年25%程度の合格率なので、基本情報よりは難易度が高いことが数字から伺えます。
メリット
基本情報の取得メリットは以下の点が挙げられます。
- システムの設計・開発に関する基礎知識を証明できる
- プログラミングの基礎知識を証明できる
- ITエンジニアとして最低限の素養を証明できる
一方で応用情報の取得メリットは以下の点が挙げられます。
特に応用情報は基本情報よりも取得した際のメリットが大きく、中小企業診断士、弁理士、技術士などの国家試験の一部が免除されたり、上位試験である高度試験の午前1試験が2年間免除されます。
- システム開発、IT基盤構築に関する応用知識を証明できる
- 技術から管理、経営まで網羅的な知識を証明可能
- 高度なITエンジニアに必要な素養を証明できる
- 中小企業診断士、弁理士、技術士などの一部試験が免除される
- 高度試験の午前1試験が免除される
応用情報の上位試験である高度試験の午前1試験の概要については別記事でまとめています。
参考年収
基本情報と応用情報技術者の参考年収と市場価値をそれぞれ独自調査したのでぜひ参考にしてください。基本情報技術者の参考年収は515万円程度、応用情報技術者の参考年収は656万円程度という結果でした。