基本情報は意味ない?時代遅れ?
「基本情報は意味ない」、「基本情報は時代遅れ」、「基本情報は持ってて当たり前」、「基本情報は役に立たない」と言われますが、現役エンジニアの観点から基本情報技術者のメリットをまとめます。
意味はある
基本情報技術者に合格する意味は大いにあると思います。
そもそも「意味ない」「役に立たない」と言う方は年次が高いエンジニアの割合が高いですが、ある程度実務経験のあるエンジニアにとっての基本情報技術者の価値とIT未経験者や駆け出しエンジニアにとっての基本情報技術者の価値を比較すること自体が無益です。
開発エンジニアであれば基本情報技術者レベルの知識は必須ですし、むしろ基本情報技術者レベルがわからないのであればエンジニアに向いてないというのは理解はできます。
一方で基本情報技術者の受験者はIT関連業務に従事していたり、駆け出しエンジニアとして学び始めた方が大半を占めます。現代社会における基礎的なIT知識・システム開発関連の知識を網羅的に学べるのが基本情報技術者であることは自明です。
IT初心者の方であれば専門的な内容が大量に出てくる基本情報技術者試験はそれなりに難易度が高いと感じることもあるでしょう。特に科目Bでは疑似言語によるプログラミングへの理解が求められるので文系の方は毛嫌いする傾向が強いのも事実です。
私自身、3年以上フリーランスネットワークエンジニアとして働いている経験とIT資格についての情報を発信している身ですが、基本情報技術者はシステム開発の内容を学ぶのに最適な国家試験だと感じました。
価値は自分で決める
基礎的な国家試験であるゆえに基本情報技術者の価値があまり高くないのは事実です。
しかし、明確な目的意識を持って自発的に学んでいる場合はその姿勢に価値があります。私自身20代で転職を2度しましたが、資格を保持していることよりも学習を継続して自発的に行う姿勢が特に評価されました。
逆に言えば「会社から取れと言われたから」、「みんな持っているから」など受動的な理由で受験するのであれば基本情報の意義は薄れてしまうでしょう。
基本情報技術者試験に合格することの価値はご自身で決めるものです。異業界からIT業界に転職したいので基礎的なIT知識を基本情報技術者で学びたい、業務でIT部門と関わる中で内容をもっと理解して業務スピードを改善したいなど自発的な目的意識を持って試験に臨みましょう。自身の目的に沿っていたならば基本情報技術者は価値があったと思えるはずです。
基本情報は持ってて当たり前?
「基本情報は持ってて当たり前」という風潮があるのは否めませんが、持っていること自体はさほど重要ではないです。むしろ実務にどう活かせているかが非常に肝要です。
実務で大切なのは基本情報をもっていることよりも基本情報レベルの内容を血肉化し気づきを得たり、業務に活かすことです。基本情報に合格している方でもポンコツな方はかなりの数います。どのレベルの資格試験に合格していたとしても本業に活かすことができていない方は一定数います。
基本情報に合格すること自体をゴールとしないようにしましょう。
SEで基本情報を持ってないのは不利?
SE(システムエンジニア)で基本情報を持ってないのは社内の昇進で不利になる場合があります。
会社内のルールや裁定は会社ごとに異なるので一概には言えませんが、会社としては実務での活躍に加えて、基本情報に合格したという客観的な実績があれば昇進や昇給しやすくなるのは事実でしょう。
ご自身が昇進や昇給したいのであれば基本情報を受けるのがよいでしょう。
基本情報のメリット
システム開発を学べる
基本情報はシステム開発知識を網羅的に学べるのでSEやプログラマーの方におすすめです。
コンピュータの基礎理論からアルゴリズムとプログラミング、ソフトウェア、ネットワーク、データベース、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術などテクノロジー分野の基礎内容を一通り学べるのが優秀です。
私自身ネットワークエンジニアなのでシステム開発技術、ソフトウェア開発管理技術などは馴染みがないので非常に勉強になると感じました。
ITの全体像が見える
基本情報技術者はシステム開発やソフトウェア開発を通じてIT業界の全体像を具体的に把握できます。
基本情報技術者はITパスポートと同じくストラテジ系、マネジメント系、テクノロジー系の3分野に分かれています。
ストラテジ系では経営・システム戦略や財務会計・法務、マネジメント系ではシステム開発・プロジェクトマネジメント、テクノロジー系では各技術要素を学べるので、IT業界の全体像をイメージしやすいです。
ストラテジ系は経営者・コンサル寄り、マネジメント系はSIer・IT管理職寄り、テクノロジー系はエンジニア寄りの内容です。それぞれの内容は独立したものではなく、相互に関連し合っていることを認識しておきましょう。
永久に有効
基本情報技術者は国家試験であり、試験に合格しただけなので有効期限はありません。つまり、永久に有効です。
基本情報技術者は「国家資格」ではなく「国家試験」です。国家試験であれば有効期限はないので合格した実績があることを永久にアピール可能です。
IPA試験の有効期限や国家試験と国家資格の違いは別記事でまとめているので参考にしてください。
よくある質問
- 基本情報技術者は業務独占資格ですか?
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いいえ違います。基本情報技術者はそもそも国家資格ではなく国家試験です。国家試験と国家資格の違いは別記事でまとめているので参考にしてください。参考
- 基本情報は誰向け?
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システム・ソフトウェア開発に携わるSE(システムエンジニア)やプログラマー向けに役立つ試験です。ITエンジニアの登竜門的な国家試験です。
- 基本情報技術者試験は国家資格ですか?
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いいえ違います。基本情報技術者はそもそも国家資格ではなく国家試験です。国家試験と国家資格の違いは別記事でまとめているので参考にしてください。参考
- 基本情報は何に役立つ?
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システム・ソフトウェア開発・運用に関する知識を深めるのに役立ちます。
基本情報と応用情報の違い
基本情報よりも応用情報の方が取得した際のメリットが大きいです。例えば、中小企業診断士、弁理士、技術士などの国家試験の一部が免除されたり、上位試験である高度試験の午前1試験が2年間免除されます。
基本情報と応用情報の違いについて別記事で詳しくまとめているので参考にしてください。
いきなり応用情報はあり?
基本情報を飛ばしていきなり応用情報を受験することに関してまとめています。
基本情報に役立つ情報
勉強方法
基本情報技術者におすすめ勉強方法を別記事でまとめているのでぜひ参考にしてください。
参考書・動画
基本情報技術者におすすめの本・参考書・動画コースは別記事でまとめています。
無料勉強サイト
基本情報技術者の試験対策に役立つ無料勉強サイトを別記事でまとめています。
難易度ランキング
基本情報技術者の難易度ランキングを別記事でまとめているのでぜひ参考にしてください。
難易度・勉強時間
基本情報技術者の30個の合格体験記から難易度、勉強時間を調べた結果をまとめています。
参考年収
基本情報技術者の参考年収と市場価値を独自調査したのでぜひ参考にしてください。
過去問から出る?出ない?
基本情報技術者の問題は過去問から出るのか出ないのかを具体的な過去問を取り上げてまとめています。
試験日
基本情報技術者の試験日は通年で受験可能です。例えば、本日から3日後〜3ヶ月以内の日程で受験予約が可能です。
申し込み方法
基本情報技術者の申し込み方法は別記事でまとめています。
ITパスポートとの違い
ITパスポートと基本情報技術者の違いについて別記事で詳しくまとめているので参考にしてください。