【令和元年度 午後2 問1 設問3】ネットワークスペシャリスト 過去問 午後 解説
ネットワークスペシャリスト令和元年度の過去問の解説をしております。
本記事では、令和元年度 午後2 問1 設問3の解説をしております。
引用元:
「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ 問1」
※一部改変しております。
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設問3
(1)空欄コ
空欄を埋める問題ですね。
問題文から「適切な字句」とあることから、一単語とかではなさそうですね。
条件としては、「図3中の字句を用いて」とあるので、図3は必ず確認します。
それでは、本文から空欄コのある場所を探します。↓↓
利用者が「空欄コ」を操作して、「保留転送」を行う例を示しているとあります。
じゃあ、その「保留転送」がわからないので、近辺を探します。
空欄コを含む一文の先頭に(3)とあるので、その前の部分で説明文を探します。↓↓
上記から読み取れることをまとめると↓のようになります。
- 保留転送とは、スマホと電話機で利用できる、通話中の電話を別の電話機に転送する操作
- 通話をするのに2人は出てくる。通話中に転送するので、もう1人出てくる。
計3人の登場人物は出てくる - INVITEリクエスト中にINVITEリクエストすることをre-INVITEリクエストという。re-INVITEリクエストは相手や呼び出し先を保留状態にすることができる。
図を確認すると、登場人物が「支店のスマホ」、「本社のスマホ」、「本社のIP電話機」と示されています。
re-INVITEリクエストを送信することが保留転送を開始するシグナルになります。
そのため、re-INVITEリクエストを送信している「本社のスマホ」が送信元とわかります。
(4)から(9)のシーケンス番号で「支店のスマホから本社のスマホへの発信」とあるので、支店のスマホと本社のスマホが通話しているとわかります。
(10)から(15)のシーケンス番号で、「支店のスマホの保留」となっているので、この時点で「本社のスマホ」が保留転送をしたことがわかります。
(16)から(21)のシーケンス番号で、「本社のIP電話機への発信」とあり、INVITEを「本社のスマホ」から発信していることが読み取れます。
よって、答えは本社のスマホになります。
(2)空欄b
まずは問題文から確認していきます。
「図3中のb」とあるので、その箇所を探します。↓
空欄bは通信の内容を答えれば良さそうだということが推測できました。
問題文の「適切な字句」とあったので、他の部分の文言に倣って答えれば良さそうです。
空欄bのシーケンス番号(16)から(21)の通信は、「本社のスマホ」から「本社のIP電話機」へのre-INVITE、つまり保留転送の通信であることが読み取れます。
このことを解答として答えればいいのですが、同様の保留転送の通信である(10)から(15)のシーケンス番号で、「支店のスマホの保留」となっているので、これと合わせて答えることができると理想です。
よって、答えは本社のIP電話機への保留
本社のスマホから本社のIP電話機への保留と送信元を記載しても正解にもなりうると思います。
(3)シーケンス番号を答える問題
まずは問題文から理解していきましょう!
要は、BYEリクエストと紐づくINVITEリクエストのシーケンス番号を答える問題です。
INVITEで呼び出しを送ったら、最後にバイバイを言わないといけないので、そのBYEリクエストを探していきましょう。
↑図を確認すると、まずシーケンス番号(31)と(32)のBYEが「IP-PBX」から「本社のスマホ」に送信されていることがわかります。
そして、シーケンス番号(33)と(34)でそのBYEリクエストに対して、「本社のスマホ」から「IP-PBX」に200 OKで応答されています。
つまり、この時点で以下のことがわかります。
- 終わりのBYEリクエストがIP-PBXから送信されているのならば、始まりのINVITEリクエストもIP-PBXから出ているはず
- IP-PBXと本社のスマホ間でのやりとりの中にINVITEリクエストが必ずあるはず
上記の仮説から、IP-PBXと本社のスマホ間でのINVITEリクエストを探すと(5)と(16)の2つが見つかります。
それぞれを確認すると以下のとおりです。
- 「支店のスマホ」から「本社のスマホ」へINVITEリクエスト
↑シーケンス番号(4) - IP-PBXが仲介
- 宛先(本社のスマホ)を指定したSIP URIに紐づく、宛先のIPアドレス(本社のスマホ)へINVITEリクエストを転送
↑シーケンス番号(5)
- 本社のスマホから本社のIP電話機へINVITEリクエスト
↑シーケンス番号(16) - IP-PBXが仲介
- 宛先(本社のIP電話機)を指定したSIP URIに紐づく、宛先のIPアドレス(本社のIP電話機)へINVITEリクエストを転送
↑シーケンス番号(17)
よって、答えは(5)、(16)
(4)下線部②の動作を明らかにする問題
まずは問題文を確認。
確認する場所として、「下線②」とある。
「同様の動作」とあるので、本文中のどこかに解答のヒントとなるものがあることが分かる。
また、解答の条件として「シーケンス番号を用いて」と「35字以内」とあるので、しっかりと踏まえる。


ちなみにSDPとは以下になります。
SDP(Session Description Protocol)
- VoIPやストリーミングビデオなどのセッションを確立するための情報が記述されている
- SIPは メディアの制御は行わないので、そのメディアのセッションの確立で必要なプロトコルがSDP
- ちなみにSDPによるセッションの確立後のマルチメディアデータの送受信はRTPによって行う
- SDPの中身としては、接続相手のURI(相手を識別するもの)、自分のURIとIPアドレスが含まれる
- SDPの中にも送信元のIPアドレスが記述されるので、NATに関連して問題となる
SIPの基礎知識はこちらを参考にどうぞ↓↓↓



下線②付近の文章を整理すると以下のようになる。
re-INVITEリクエストでは、SDPを用いて、SIP UAの動作を指定する
↓
IP電話機以外の製品を使う場合、このような動作(re-INVITEリクエストで、SDPを用いて、SIP UAの動作を指定する)は事前に確認が必要
↓ここで「例えば」とあるので、上の文章を具体的にした文章がかかれる
図3中の(11)(re-INVITEリクエスト)を受信したSIP AP(支店のスマホ)は、(11)中のSDPの情報に従って保留音を出す。
↓ここで、以下下線②
本社のIP電話機についても、同様の動作が行われる
よって、文章構造から下線②の同様の動作が指しているのは、前文のSIP AP(支店のスマホ)は、(11)中のSDPの情報に従って保留音を出す。であることがわかります。
また、本社のIP電話機がre-INVITEリクエストを受信したシーケンス番号を埋めれば、同様の動作の答えになるので、その箇所を↓探します。
図3を確認すると、シーケンス番号(23)で本社のIP電話機がre-INVITEリクエストを受信している処理になります。
SIP AP(支店のスマホ)は、(11)中のSDPの情報に従って保留音を出す。
↓上記を踏まえて、下線②の「同様の動作」を読み替える
本社のIP電話機は、(23)中のSDPの情報に従って保留音を出す。
よって、答えは本社のIP電話機は、(23)中のSDPの情報に従って保留音を出す。(33字)
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