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【令和3年】ネットワークスペシャリスト(ネスペ)午後1 問1の解説

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【令和3年】ネスペ午後1-1の解説

令和3年度のネットワークスペシャリスト(ネスペ)の午後問題の解説をしていきます。
今回は午後1-1の問題をわかりやすく説明します。本問では主にDHCP、SNMP、LLDP、REST APIなどのプロトコルを題材にネットワーク設定や運用の自動化が問われました。

画像はすべてIPA公式から引用しております。
令和3年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅰ

他年度の午後問題の解説は別記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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設問1(1)

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-1
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-1

名前解決に用いるサーバのIPアドレスを、在庫管理端末に通知するサーバを図1中の機器名で答える問題です。在庫管理端末に関する記述と図1を探します。

すると、「在庫管理端末はDHCPクライアントである。」という記述が見つかり、図1で本社にDHCPサーバがあるため、DHCPサーバから名前解決に用いる本社のDNSサーバのIPアドレス情報を伝えていることがわかります。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-8
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-8

DHCPサーバがPCに付与する情報は以下のとおりです。ちなみに、翌年の令和4年午後1-3でもDHCPサーバがDHCPクライアントに付与する情報が問われました。

DHCPサーバがDHCPクライアントに付与する情報
  • IPアドレス
  • サブネットマスク
  • デフォルトゲートウェイ
  • DNSサーバのIPアドレス
  • IPアドレスのリース時間の設定

答えは、DHCPサーバ

設問1(2)

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-1
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-1

在庫管理システムのセグメントのIPアドレス数の記載箇所を探します。「在庫管理システムで利用するIPアドレスは、192.168.1.0/24であり、各機器にはIPアドレスが一つ割り当てられている。」とあります。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-8
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-8

192.168.1.0/24のセグメントで、利用できるIPアドレス数は192.168.1.0~192.168.1.255です。192.168.1.0はネットワークアドレスで、192.168.1.255はブロードキャストアドレスのため、機器に割り当てるためのIPアドレスとして利用できません。よって、利用できるIPアドレスは254です。

また、利用できるIPアドレス254から本社の機器6台分を引くと、各店舗に割り当てられる残りのIPアドレスは248個です。

「店舗が追加される際には、(中略)、L2SWと在庫管理端末を設置している」と本文に記載があり、在庫管理端末は各店舗ごとに2台ずつあるとも記載があるため、各店舗ではL2SWと在庫管理端末2台の計3台の機器にIPアドレスを割り当てる必要があります。

248(残りのIPアドレス数)÷3(各店舗の機器数)=82(店舗の最大数) ※小数点以下切り捨て

答えは82

設問1(3)

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-1
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-1

MACアドレステーブルで学習していないフレームを転送する方法を答える問題です。

L2SWでは、MACアドレステーブルに学習されていない宛先MACアドレスを含むフレームを受信した場合、フラッディングが行われます。フラッディングとは、受信ポート以外の全てのポートからフレームを転送することです。

よって答えは、受信ポート以外の全てのポートからフレームを転送する(25字)

IPA公式解答は、L2SWの入力ポート以外の全てのポートに転送される。(26字)

設問2(1)

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-2
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-2

RTに、RT管理コントローラをIPアドレスではなく、FQDNで設定するメリットを答える問題です。

IPアドレスは変更されることがよくあります。RT管理コントローラのIPアドレスが変更されたら、RTに設定したRT管理コントローラのIPアドレスも変更する必要があります。

RTにRT管理コントローラをFQDNで設定すると、RT管理コントローラのIPアドレスが変更されても、RTで設定変更する必要がなくなります。ただ、DNSサーバのAレコードで、FQDNに紐づくIPアドレスを変更する必要はあります。

よって答えは、RT管理コントローラのIPアドレスが変更されても、RTで設定変更する必要がないこと(41字)

IPA公式解答は、RT管理コントローラのIPアドレスが変更された場合でもRTの設定変更が不要である。(41字)

令和元年の午後1-2で同じような問題(CNAMEレコード設定するメリット)が出題されていたので、過去問を解いていた方にとっては解きやすかったはずです。

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設問2(2)

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-3
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-3

本文中の下線①を探すと、「REST APIを利用してRTのシリアル番号とEPのIPアドレスを送信する。」とあります。

REST APIを利用するアプリケーション層のプロトコルは、HTTPまたはHTTPSです。REST APIとは、HTTPまたはHTTPSプロトコルを使用し、URIにHTTPメソッドでアクセスすることでデータの送受信を行うAPIです。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-9
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-9

答えは、HTTPまたはHTTPS

設問2(3)

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-4
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-4

店舗の在庫管理端末から運用管理サーバにtracerouteコマンドを実行したときに表示される機器を答える問題です。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-9
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-9

図3中の機器名という指定があるため、図3を確認します。店舗の在庫管理端末から運用管理サーバへの通信経路となる機器は、店舗のL2SW01、店舗のRT01、本社のRT00、運用管理サーバが候補になります。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-10
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-10

さらに、店舗の在庫管理端末に関する記述を本文中から探します。図3下の本文に、「店舗のRTのBPは、トンネルで接続された本社のRTのBPと同一ブロードキャストドメインとなる。」という一文が記載されています。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-11
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-11

RT、BPの内容をそれぞれ確認します。RTはインターネット上にL2 over IPトンネルを作成する機能をもつルータで、BPはブリッジポートの略称で、図2の注記2からBPに接続された機器は、閉域網内(L2)で通信すると記載があります。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-12
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-12

ここまでを踏まえて再度、図3の構成図を確認すると、店舗の在庫管理端末を収容するL2SW01がRT01のBPであるため、閉域網内(L2)で通信することがわかります。さらに、「店舗のRTのBPは、トンネルで接続された本社のRTのBPと同一ブロードキャストドメインとなる。」とあるため、店舗のL2SW01、店舗のRT01、本社のRT00が候補から外れます。宛先のIPアドレスは運用管理サーバに指定しているため、答えは運用管理サーバのみになります。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-10
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-10

答えは、運用管理サーバ

設問2(4)

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-5
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-5

「全店舗のWi-Fi APから送られていくるログを受信するサーバを追加する場合」とあるため、そもそものログを受信するサーバの内容を確認しますが、本文中に記載がないため、新規で追加することを検討しているとわかります。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-10
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-10

店舗のWi-Fi APは店舗のRT01のRP(ルーティングポート)に接続されており、下記図2の注記1からRPに接続された機器はインターネットと通信すると記載があります。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-12
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-12

さらに、図2配下の説明で、「RPに接続した機器は、(中略)インターネットからRPに接続した機器へのアクセスはできない」、「RPに接続した機器とBPに接続した機器との間の通信はできない」と記載があります。つまり、RP、BPともに通信できないということがわかります。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-13
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-13

よって答えは、店舗のRPから本社のRP、BPともに通信できないから(26字)

IPA公式解答は、店舗から本社にはBP経由でしかアクセスができないから(26字)

設問3(1)

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-6
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-6

空欄aの該当箇所を探します。LLDPは第2層のデータリンク層のプロトコルです。

LLDP (Link Layer Discovery Protocol)は、ローカルエリアネットワークでのネットワークデバイスの自己識別、機能、および隣接関係を広告するために使用されるデータリンク層のプロトコルです。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-14
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-14

答えは、2

設問3(2)

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-6
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-6

空欄bの該当箇所を探します。MIBを取得する方法として、SNMPを利用します。本文中にも、SNMPの記載はあるため、SNMPが答えです。

SNMP(Simple Network Management Protocol)とは、IPネットワーク上の機器を遠隔から監視・制御するためのプロトコルです。MIBとは、SNMP監視対象の機器が自身の状態や設定についてまとめたデータベースのことを指します。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-14
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-14

また、RTのLLDP-MIBの情報を収集する機器はRT管理コントローラです。「RTの設定及び管理は、C社データセンタ上のRT管理コントローラから行う。他の機器からは行うことができない」と記載があるためです。

また、「RT管理コントローラは、(中略)、pingによる死活監視及びSNMPによるMIBの取得を行う」ともあります。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-15
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-15
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-13
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-13

空欄bの答えは、SNMP

空欄cの答えは、RT管理コントローラ

設問3(3)

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-6
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-6

本文中の下線③では、「店舗から作業完了の連絡を受けた後で確認を行う」とあり、確認内容を答える問題です。店舗の作業完了を受けた後に、LLDPを用いてBP配下の接続構成を自動で把握できるようにしています。要は、接続構成を自動で確認しています。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-14
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-14

「情報システム部は、店舗に設置する機器一式、構成図、手順書及びケーブルを店舗に送付する」とあるので、各機器が送付した構成図どおりに接続構成がなされているかを確認するとわかります。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-16
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-16

IPA公式解答は、各機器の接続構成が構成図通りであること(20字)

設問3(4)

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-7
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-7

まずは表1を確認します。「L2SW01のIF2」と「在庫管理端末011のIF1」の間に「L2SW-X」を接続したという問題文から行番号3、5にまず関連があると目星がつきます。

行番号3では、「L2SW01のIF2」と「在庫管理端末011のIF1」の間に「L2SW-X」を接続したので、隣接機器名が変更されます。

同じく行番号5でも、「L2SW01のIF2」と「在庫管理端末011のIF1」の間に「L2SW-X」を接続したので、隣接機器名が変更されます。

行番号3と5で「L2SW-X」を接続したので、隣接機器名に「L2SW-X」の行が存在します。

ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-15
ネットワークスペシャリスト-令和3年-午後1-1の解説-15

答えは、イ、エ、カ

ネスペ要点まとめ(復習用)

本ページで解説した、ネスペ令和3年午後1 問1の過去問も含めて、別記事でネスペ午後過去問の要点をまとめていますので、復習用にぜひ活用ください。

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