【令和元年度 午後2 問1 設問4】ネスペ 過去問 午後 解説
ネットワークスペシャリスト令和元年度の過去問の解説をしております。
本記事では、令和元年度 午後2 問1 設問4の解説をしております。
引用元:
「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ 問1」
※一部改変しております。
前回の問題はこちらからどうぞ↓↓↓
令和元年度 午後2 問1 設問1
令和元年度 午後2 問1 設問2
令和元年度 午後2 問1 設問3
設問4
(1)機器の設定内容を答える問題
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p12」
問題文から見ていきましょう↑
「下線③に必要となる機器の設定」とあるので、まずは下線③を探してみましょう↓↓
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p10」
下線③を確認すると、以下のことがわかりました。
- 本社の内部LANで何かを切り替えること
- 本社の内部LANを現行環境と新環境の2つに分離されること
その上で、下線③の前文を読んでみると、IP-PBXやWebサーバを切り替えることがわかります。この時点でざっくりと切替対象がわかったので、次は現行環境と新環境の構成を調べていきます。
しかし、↓の切替期間中の本社のネットワーク構成図を見てもどこが現行環境で新環境なのかわかりません。
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p9」
そのため、現行環境(旧環境)である図1をまず確認します。↓↓
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p2」
現行環境の内部LANの構成図が把握できたところで、先ほどの切替期間中の本社のネットワーク構成図をもう一度確認します。
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p9」
↑の構成図から以下のことがわかります。
- 現環境の構成のL3SWは新環境の構成でも利用すること
- 現環境の構成のL3SWの配下に、新環境を構成することになるので、新環境セグメントの作成が必要になること
- 新環境セグメントを作成したら、そのセグメントへのルーティングを設定する必要があること
- 下線③から「現行環境と新環境を分離する」とあるので、それぞれのセグメント同士で通信できないようにする必要がある。実装方法としては、ルーティングをしないようにする、アクセス制御を適用するなど。
問題文にもう一度戻ってみます。
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p12」
「下線③に必要となる機器の設定」が答えるべきこととなります。
下線③は「切替期間中の本社の内部LANでは、現行環境と新環境を分離」を指す。
つまり、本社の内部LANで現行環境と新環境を分離するために必要な機器の設定を答えることになります。
本社の内部LANで現行環境と新環境を分離するために必要な機器は、図5中の字句を用いて答えると、L3SWです。
ここまで、踏まえて答案をつくってみます。
L3SWでPoE-SWにつながるポートを新規のセグメントとして作成し、現行環境のL2SWにつながるポートとの通信を許可しないようにする。(68字)
↓このままだと「通信を許可しないようにする」と設定内容が明確ではないので、
設定内容を具体的に書く必要があります。
L3SWでPoE-SWにつながるポートを新規のセグメントとして作成し、現行環境のL2SWにつながるポートへのルーティングをしない(64字)
L3SWでPoE-SWにつながるポートを新規のセグメントとして作成し、現行環境のL2SWにつながるポートへのアクセス制御をする(63字)
↓文字数を60字以内にするために整形します。
L3SWでPoE-SW配下のポートを新規のセグメントとして作成し、現行環境のL2SW配下のポートへルーティングをしない(59字)
L3SWでPoE-SWのポートを新規のセグメントとして作成し、現行環境のL2SWのポートへのアクセス制御をする(55字)
よって、答えはL3SWでPoE-SW配下のポートを新規のセグメントとして作成し、現行環境のL2SW配下のポートへルーティングをしない(59字)
L3SWでPoE-SWのポートを新規のセグメントとして作成し、現行環境のL2SWのポートへのアクセス制御をする(55字)
IPAの正式解答はL3SWのPoE-SW収容ポートを新しいセグメントにして、L2SW収容ポートとのルーティングを禁止する(51字)
※あくまで解答は筆者自身の個人的な解答です。IPAの正式解答が唯一無二の解答ではありませんので、ご自身で解答をつくるのが一番の練習方法になると思います!
(2)適切な字句を埋める問題
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p12」
次の問題ですね。
空欄c,dに入る適切な字句を答える問題になりますね。
まずは空欄c,dの位置を確認します↓↓
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p10」
文章からまとめると以下になります。
- 話題は、本社のIP電話機を一斉に切り替えること
- Y-DCのIP-PBXと本社のIP-PBXとの連携を断念した
- その理由として、2つのIP-PBXを同時に稼働しても、IP電話機間の内線通話ができなくなるから
- 「また、」と続くことから、別の理由として空欄c,dを含む文章が書かれている
- 「空欄cとIP電話機の切替えの順序関係」とあるので、IP電話機の切替え作業の日程を確認する必要がある
- 「IP電話機では、空欄dができなくなります。」とあるが、IP電話機でできなくなることは通話しかない。どことどこの通話かは具体的にする必要がある
空欄c
空欄cから確認していきます。
「空欄cとIP電話機の切替えの順序関係」とあるので、空欄cには移行作業の内容が入ると推測できます。
空欄cと対となるIP電話機の切替えをまずは↓でみてみると、作業名がa5の作業であることがわかります。
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p8」
作業名がa5の作業がスケジュールだとどの時期にやるのかを把握します。↓↓
すると、同時期に本社で移行作業を行うのがa3もあることがわかります。
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p9」
a3の作業内容を確認すると、IP-PBXの切替え作業であることが読み取れます。
よって、空欄cに当てはまる字句としては、「IP-PBXの切替え」が当てはまりそうですが指定の文字数が20字以内であり、あまりにも字数が余ってしまいます。
ここで、「IP-PBXの切替え」を具体的に説明することで字数を埋めていきます。
↓から「IP-PBXの切替え」の具体的な作業内容として、「本社の公衆電話網の電話番号をY-DCへ移行する」とあります。なので、これを20字以内にいい感じにまとめたいです。
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p8」
本社の公衆電話網の電話番号をY-DCへ移行する(23字)
↓まずは空欄cに適切な答えにする
本社の公衆電話網の電話番号をY-DCへ移行する作業(25字)
↓空欄cと並列する「IP電話機の切替え」には
どこからどこへの切替えは省略されているので、空欄cも省略する
公衆電話網の電話番号を移行する作業(17字)
よって、空欄cの答えは公衆電話網の電話番号を移行する作業(17字)
IPAの正式解答は公衆電話網の電話番号の移行(13字)
空欄d
次に空欄dですが、IP電話機でできなくなることは通話しかありません。
文字数が20字とあることから、どことどこの通話かは具体的にする必要がありそうです。
ここまで整理します。
公衆電話網の電話番号を移行する作業(空欄c)とIP電話機の切替えの順序関係によって、IP電話機で通話(空欄d)ができなくなる
公衆電話網の電話番号の移行作業によって、当然公衆電話網を利用した通話、つまり本社と外部との通話ができなくなります。
これをまとめると、公衆電話網を利用した本社と外部との通話になります。
よって答えは、公衆電話網を利用した本社と外部との通話(19字)
IPAの正式解答は本社と社外の電話との発着信(13字)
(3)プロキシの設置場所と変更内容
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p12」
下線④とあるので、確認しましょう。↓↓
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p10」
上記の文章からまとめます。
- 下線④は「切替えは、プロキシサーバの設定変更によって行います。」を指す
- その「切替え」が指しているのは、前文の「Webサーバ」の切替えを指す
- その切替えをプロキシサーバの設定変更によって行うとあるので、プロキシサーバの機能を確認すると、プロキシ機能とDNS機能があるとわかる
- プロキシ機能は↑からオレンジ色の用途で使用している
- DNS機能は他でどのように利用しているのかが触れられていないので、Webサーバの切替えの際に活用すると推測ができる
設定変更の対象となるプロキシサーバは本社とX-DCの2つがあります。
並行稼働させるものの、最終的には移行元が本社のプロキシサーバで、移行先がX-DCのプロキシサーバなので、移行元である本社のプロキシサーバでDNSの設定変更をします。
本社のプロキシサーバのDNS機能で、本社のWebサーバのAレコードのIPアドレスを、切替先であるX-DCのWebサーバのIPアドレスに変えることによって、Webサーバの切替えができます。
よって、設置場所は本社
変更内容は本社のWebサーバのAレコードのIPアドレスを、X-DCのWebサーバのIPアドレスに変える(46字)
IPAの正式解答は↓↓
設置場所は本社
変更内容はWebサーバのAレコードのIPアドレスを、X-DCのWebサーバのIPアドレスに変える。(44字)
(4)図や表から読み解く問題
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p12」
空欄の字句を埋める問題ですね。
まずは本文中から空欄サ、シを探します。↓↓
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p11」
上の文章から↓のことがわかりました。
- 話題は、支店の移行切替の話
- 「支店ごとに作業b2〜b5を実施する」うえで、制約はあるかと部長が聞く
- その受け答えとして、空欄サ、シの作業は同時にやる必要があるとのこと
支店での作業b2〜b5の作業をみていきます。↓↓
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p8」
支店での作業b2〜b5の中から2つの作業は同時に行う必要があります。
作業名 | ざっくり作業内容 |
b2 PBXの停止 | 通話のための作業 |
b3 IP電話機の導入 | 通話のための作業 |
b4 PCの切替え | 社内PC通信のための作業 |
b5 スマホの導入 | スマホを導入するだけの作業 |
↑からb2とb3の作業は通話のための作業であり、同時に作業を行う必要がありそうです。
b4はPC、b5はスマホの作業のため、同時に行う必要性は特段ないです。
よって、答えはb2、b3(順不同)
(5)機器の撤去時期を答える問題
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p12」
最後の問題ですね!
下線⑤とあるので、それを探していきます↓↓
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p11」
以上の文章から、答えるべきことが以下となります。
- 本社のFW、Webサーバ、プロキシサーバ及びIP-PBXの全てがどの時点で撤去可能になるのかを答える
- またその時点まで撤去ができない機器を答える
まずは撤去する機器を構成図から把握します↓↓
FW、Webサーバ、プロキシサーバ及びIP-PBXを確認してください。
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p9」
これまでの移行作業の内容を整理しましょう↓↓
移行作業内容をネットワーク構成図に反映してみます。
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p8」
出典:「令和元年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験(NW)午後Ⅱ問1 p9」
表3から読み取れることを整理していきます。
- 本社の移行作業は全部でa1〜a7
- a2でX-DCのプロキシサーバを稼働させるが、本社のプロキシサーバも引き続き稼働させるので、この時点で本社のプロキシサーバは撤去できない
- a3で本社のIP-PBXは停止しているので、この時点で撤去可能に
- a4で本社のWebサーバは停止しているので、この時点で撤去可能に
- a5、a6で現環境の内部LANのL2SW配下のIP電話機とPCを新環境に移行することになるので、a6の完了時点で本社のプロキシサーバとFWが撤去可能に
よって答えはa6のPC切替えが完了した時点、本社のプロキシサーバとFW
IPAの正式解答は
時点 本社PCの切替期間が終了した時点
機器 本社のプロキシサーバ、本社のFW
前回の問題はこちらからどうぞ↓↓↓






